天竺徳兵衛を研究する上で、今年度はいくつかの重要な研究成果の発表がありました。その一部は冊子として、今回一般公開も果たすことができました。今回の冊子「播州高砂船頭(町)徳兵衛渡天物語」は、天竺徳兵衛という名前が初めて世間に知れ渡ったことを示す、重要な第一歩の研究成果です。宝永四(1707)年以降の当該写本(群)の流布により、天竺徳兵衛としての名前が世間に広く知れ渡るきっかけとなりました。天竺徳兵衛の研究では一つの基点になったと思います。
これ以外にも重要な未公開資料が存在し(それらは既に研究発表を終えていますが)、次年度以降に公開を予定しております。この一連の研究成果の公開は、これまでの先学の写本研究を大きく進化させる内容が含まれています。特に、徳兵衛の実像を解明する上で重要な論点と解明を公開したいと考えております。
特に先学の間ですでに知られ、比較的良書と指摘されている写本類ですら、リスクは高いと考えています。地道な研究に基づかなければやけどしかねません。それだけに、しっかりとした立証が必要と感じております。当研究会では科学的な検証に基づき、次の公表を準備しています。